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とんでも腐敵☆パートナー Act.4-3
2008 / 02 / 06 ( Wed ) 20:46:36
                                                               Act.4-4へジャンプ
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「信じらんない。ホントに鼻血噴くなんて。恥ずかしいからアンタ近寄んないでくれる?」
 
「うぅ~~~そんな蔑まないでよ祥子~~」
 
「あたしはあんだけ出血したのにグリコがケロっとしてるのが信じらんない。どんだけ血の気多いのよ」
 
「2Lくらいまでなら平気! でも今日最高記録を更新したからも少し出してもおっけーなことが分かった!」
 
「ヤな自慢話ね……」
 
 盛大な鼻血祭りの後、なんとか出血の止まったあたしは祥子と真昼を連れて海に入った。
 
 高地さんが膨らませてくれた空気マットを海水に浮かべ、三人でマット上に顔を寄せ合い、ぷかぷか漂いながら密談をしてるところだ。
 
 といってものっけから反省会モードで、あたしが責められる一方なのだけど。
 
 いやぁ~~それにしてもさっきの出血は我ながらすごい量だった。
 
 朽木さんの半裸もズキュンとくる色っぽさだったんだけど、拝島さんの眩しい肢体ときたら……。
 
 ダメだ。思い出すだけでまた鼻の奥がツーンとしてくる。
「なに? まだ出し足りないのアンタ?」
 
 うはっ。祥子鋭い!
 
 咄嗟に顔を水に浸けてぶるぶるぶるっと振る。
 
「確かに滅多にいないくらいキレイどころな二人だけど、グリコの反応は異常すぎ。どんだけ妄想してるのよ」
 
「いやもうベッドの中まで妄想しちゃいました」
 
「……言わなくていいから」
 
 ああん、そんな嫌そうな顔もキレイなんだから、真昼ったら♪
 
 朽木さん、拝島さんはもちろんだけど、祥子と真昼の水着姿も生唾ゴックンのセクシーさなんだよね。
 
 一緒にいると始終男の視線を感じるし。
 
 ちなみに朽木さん、拝島さんの二人は女の視線を浴びっぱなし。こんな煌めかしい四人と歩くと目立っちゃって仕方ない。
 
「腐女子が移るとイヤだから、やっぱ離れてようかな……」
 
 半眼であたしをジト見しながらすーっと距離を置く真昼。
 
「ああっ、そんなっ! えと、あ、そ、そうだ、ところで真昼、高地さんはどう?」
 
 かなり無理矢理な話題転換だけど。
 女三人寄れば、やっぱコイバナ咲かすっきゃないでしょう! ってことで。
 
「ん? どうって?」
 
「かなりロックオンされてるじゃん。少しは相手したげないの?」
 
「趣味じゃないわね」
 
 一刀両断か。高地さん、お気の毒さま。
 
「ぶはぁーっ! 高地見参!」
 
 と、噂をすればなんとやら。
 
 突然、あたしの横に高地さんが現れた。
 
 水の中からざばぁっと顔を突き出して、あたし達のマットに腕を乗せてきたのだ。
 
「なになに、女の子だけで何話してんのー? 俺も混ぜてー!」
 
「邪魔よ。話題に共通点がない人が話に混ざれるわけないでしょ」
 
 ブリザードが吹き荒れるくらいの絶対零度で突っぱねる祥子。てゆーか既にタメ口?
 
「じゃあ共通の話題で話そう。お題は何がいい? 俺、色んな話知ってるよ!」
 
 おー。高地さんはめげない。この祥子の瞬間冷凍トークをものともしないとは。
 
 そこまで真昼と祥子と話したいのか。女好きのパワーってすごい。
 
 この人は見た目軟派な遊び人風なんだけど、顔はイマイチ地味っつーか普通。なんか三枚目キャラのオーラ漂ってるし。
 
 あたしが祥子、真昼のひきたて役としたら、この人は朽木さん、拝島さんのひきたて役って感じか? あ、なんか今、ちょっと親しみ湧いてきちゃった。
 
「そうね……じゃあ、高地さんの恋愛経験談から聞いてみましょうか?」
 
 にっこり笑顔で真昼が言った。
 ピシっと石のように固まる高地さん。
 
 すごいっ。すごい攻防戦だっ! これが男女の駆け引きってやつなのか! 頑張れ高地さん!
 
「私も興味あるわね、それ。一晩でナンパ五十連敗の話とか詳しく伺ってみたいわ」
 
 五十連敗! マジデスカ!
 って、いつのまにそんな情報仕入れたんだ祥子。
 
「は、拝島のやつか!? あのお喋り野郎!」
 
「いえ、高地さんって、近隣大学でも結構有名ですから。色々、噂を耳にしてますよ。もう伝説になってます」
 
 と真昼。
 
「えっ、そうなんだ!? 二人とも、高地さんのこと噂で知ってたんだ!?」
 
 そいつはびっくり。初耳デスヨ!
 
「まぁちょっとだけね。知り合いの子がナンパされたからどんな人かは聞いてたのよ」
 
 祥子が言うと、
 
「あたしも高地さん主催の合コンに友人づてで何回か誘われたから。全部断ったけど。
合コンしまくってるから知り合いが多いんですよね? 高地さん」
 
 真昼も笑顔で容赦なく追撃する。
 
 最早戦いは一方的なものと化していた。
 
 地雷だらけの敵陣地で、迎え撃つ敵の集中砲火を浴びた突撃兵といったところの高地さん。
 
 ひくひくっと笑みを引きつらせて硬直しっぱなし。
 
「グリコちゃん……」
 
 いやあたしにそんな救いを求めるような目を向けられても……。お笑いキャラのよしみってやつ?
 
「えーと……そろそろお昼ごはんにします?」
 
 とりあえず適当に話題を提供してみると。
 
「そっ、そうそう! そろそろお昼ごはんだよね! うん、腹ぺこぺこだよオレ! よしっ、みんな、岸にあがろうぜ!」
 
 動揺を隠しきれてない滅茶苦茶不自然な様子で、高地さんは岸に猛ダッシュして行った。
 
 ……いや泳いでるから猛スクロールか? 半魚人並みの速さだ。
 
 後に残されたあたし達三人。
 
 しばし唖然とその背中を見送り。
 
 
『……ダメだこりゃ』
 
 三人同時に呟いた。
 
 
 * * * * * *
 
 
 岸にあがって全員集合し、お昼ご飯をどうするかの相談になって。
 
「あたし、おにぎり作ってきました!」
 
 勢いよく手を挙げて主張したのはもちろんあたし。
 
「へぇ」
 
 朽木さんが意外そうな顔をする。
 
 へへん♪
 二度も朽木さんの手作りご馳走になったから、あたしも女として負けられないと思ったわけさ。
 
「ちゃんと食べれるものになってるのか?」
 
「失礼な! ちゃんと味見もしてきました!」
 
 味見の段階で何度か絶叫をあげたけど。
 
 と、口をつぐんでた真昼がここであたしを見て言った。
 
「あたしも少し作ってきたから丁度いいわね。グリコのとで合わせてお腹足りるでしょ」
 
「えっ……真昼も作ってきたの?」
 
 それは結構意外。
 真昼ってお弁当手作りするイメージじゃなかったんだけど。
 
「考えてみれば、グリコと祥子と三人揃って海ってのもなかなかないでしょ? ちょっと張り切ってみたんだよね。友達とワイワイお弁当つつくのも、楽しそうだなって」
 
「ほえっ! なにその女前なセリフ! ちょっと胸にじぃんと来た!」
 
 惚れ直しそうだよ真昼!
 
「じゃあ、お昼ご飯はここで栗子ちゃんと真昼ちゃんのお手製弁当食べるってことで決まりだね」
 
 拝島さんがにっこり微笑んで言った。
 
 ちなみに今はパーカーを羽織ってくれてる。あたしがまだ慣れないからだ。
 
 でも実は、パーカーを軽く羽織ってる方が、鎖骨と胸板が隙間から色っぽく覗くので、かなり鼻血もんなんだけれど。
 
 朽木さんが、「出血多量で倒れたら海に沈めて帰る」って言うからなんとか我慢しているのだ。
 
「んじゃ、お弁当、車に置いて来ちゃったから、取りに行ってキマース!」
 
 ビシッと軍人敬礼して言う。
 
「あ、あたしも車の中。一緒に行こうかグリコ」
 
 と、真昼がそう言い、
 
「私も行こうか」
 
 祥子もあたしのもとに来た。
 
「じゃあ俺が荷物持ちになるよ」
 
 更に拝島さんまでやってくる。
 
 でも。
 
「ごめんなさい、拝島さん。あんまり近くに来ないでください……」
 
 さすがに間近で見るのは厳しいっす。
 
「え? そう? でも女の子だけじゃ……」
 
「ダイジョブ! たいした重さじゃないですから」
 
 あたしはにっこり笑顔で言った。
 
 そりゃああたしだってもっと近くで拝みたいけど、生イケメンの裸体は刺激が強すぎる。今まで見てきた男の裸は二次元ものばっかりだったんだもん。
 
 ちら、と朽木さんの姿を見ると、これまた素敵な鎖骨が目に入る。でも大丈夫。
 
 朽木さんは、多分あたしの鼻血予防のためだと思うんだけど、パーカーの前を半分閉じているのだ。おかげでなんとか直視に耐える。
 
 それに、朽木さんの今の格好は「萌え~」というより、素直にカッコイイ。
 
 胸元に光るシルバーチェーンとセピア色のグラサンが凄く良く似合ってるのだ。
 
 水着はシンプルな濃紺色の膝丈パンツ。これまた露出が少ない。
 
 もっこりビキニを密かに期待してたのだけど、そんなの着てこられた日には鼻血の噴水起こしてたわ、実際。
 
 こんだけの露出でクラクラなのに……。
 
 でも拝島さんはあたしのそんな事情を知らなかったわけで。
 
 細身ながらも逞しい胸板も、毛が薄くて魅惑的な太ももも、惜し気もなく晒してくれる。
 
 ヤバイ。ヤバすぎですよ拝島さん!
 
 このビーチに確実に一人はいるであろう、朽木さん以外のゲイを、思いっきり魅了してます!
 
 某RPGのアビで例えるなら、ハートマークを飛ばしまくってます!
 
 色っぽすぎなんじゃあぁぁぁ――――!!
 
 
 まぁそんなわけで、拝島さんと並んで歩くのは厳しいあたし。
 
 残念ながら拝島さんの申し出は断るしかない。
 
「ちなみにグリコちゃん……オレは近付いても大丈夫なの?」
 
 ふと、高地さんが思いついたように言う。
 
「はい? 全然平気ですけど?」
 
 それがなにか?
 
 きょとんとして返す。
 
 何故だか高地さんは背中に哀愁を漂わせて去って行った。
 
「じゃ、行こっか」
 
 そんなこんなで真昼が切り出して、あたし達三人は駐車場に向かって歩き出した。
 
 
 * * * * * *
 
 
 このビーチの駐車場は、砂浜から少し離れてる。
 
 海沿い道路の向こう側の、海岸から少し奥まったところ。地元商店街っぽい店の並んだ道の手前に、広大な敷地が駐車場として設けられてるのだ。歩いて十分程かかる。
 
 駐車場に着くと手早く朽木さんの車のトランクからあたしの荷物を取り出した。
 
 続いて拝島さんの車の場所に移動する。
 
 拝島さんの赤いミニの小さなトランクを開けて、真昼が自分の荷物を取り出した。
 
 その時だった。
 
 ブオォォォォ
 
 けたたましい排気音をたてながら、一台の車が乱暴な運転で駐車場に乗り入れてきたのだ。
 
「わひゃっ!」
 
 その煩い音に驚いて、思わず弁当箱を落としそうになる。慌ててしっかり袋を掴み直した。
 
 顔を上げると、何故かあたし達の前で停まってるド派手なピンクのでっかい車が目に入った。
 
 見るからにガラの悪そうな人達が乗ってる。
 何故それが分かったのかというと、ウィンドゥを開けて、中から数人の男があたし達に顔を向けてたからだ。
 
「ヒューッ! すっげぇ美人じゃん!」
 
「マジイケてるよ、オネーチャン達! どう? オレらと一緒しない?」
 
 男達は口々に軽薄な言葉をかけてくる。
 
 まさに、絵に描いたようなナンパだった。
 
「無視よ。行こ」
 
 真昼があたしと祥子にそっと耳打ちした。
 
 でも、ここは駐車場。目の前にどでかい車を停められると、さりげなく横を通り過ぎるなんてできない。
 道を塞がれてるようなものだ。
 
 それでも気丈な真昼と祥子は、その車の横を通って入り口に戻ろうとしたのだけど。
 
 車の中から伸びてきた男達の手が、二人の腕を捉えたのだ。
 
「待てよオネーチャン」
 
 凄む下卑た男達。
 かなりまずい状況だった。
 
 ってあたしの存在は無視されてないかヲイ。
 
 お呼びでない? あたし、お呼びでないってか?
 
 こんな状況にも関わらず、下品な車に蹴りを入れてやりたくなった。
 
「二人を離しなさいよ!」
 
 怒りをこめた目で男達を睨み、怒鳴りつけるあたし。
 
「ちんくしゃは黙ってろ!」
 
 をい。
 
 今なんつった。
 
 あたしをちんくしゃ呼ばわりした? この雑魚チンピラ共。
 
 次の瞬間。
 
 一瞬にして沸点に達したあたしは、祥子を掴む男の腕に思いっきり噛み付いてやったのだ。
 
「ってぇ――――っ!!」
 
 男が怯んだ隙に手を払いのける祥子。続いてあたしは真昼を掴んでる男の顔に、弁当箱を力一杯ぶつけてやった。
 
「走って二人共!」
 
 あたしを掴もうとする男の手をかわし、二人の背中を押す。
 
 祥子と真昼は心得て駐車場の入り口に向かって走り出した。
 
「駐車場を出れば人目があるから!」
 
 祥子があたし達を励ますように叫ぶ。
 
 背後で車のドアが荒々しく開く音がする。
 
 逆上した奴らが人目を気にしてくれるかどうかは定かではない。
 
 あたしはアメリカ映画ばりに「ヘルプミー!」と叫ぶべきかどうか逡巡した。
 
 と、目前の囲いのフェンスの向こうに、見慣れた人影が歩いてるのを見つけて、その瞬間、あたしは声のあらん限り叫んだ。
 
 
「朽木さ――――――んっ!!」
 
 
 刹那、フェンスの向こうにいた筈の朽木さんの姿が消えた。
 
 と思ったら、次の瞬間、駐車場の入り口から現れた朽木さんが、あたし達に向かって駆け寄ってきたのだ。
 
 加速装置でもついてるんか!?
 
 あっという間に合流するあたし達。
 
「グリコっ!」
 
 祥子と真昼を後ろに庇い、立ちはだかる朽木さんの横に並び、あたしは男達に向き直った。
 
「あいつら、祥子と真昼に乱暴した!」
 
 向かってくる男達は、あたしの噛み付きそうな様子と朽木さんの迫力に呑まれてか、反射的に足を止めた。
 
「うちの連れが、何か?」
 
 ずいっと一歩前に出て凄む朽木さん。
 グラサンかけてるから多分怖いと思う。
 
 あたしは無言で朽木さんのパーカーのポケットを叩く。
 
 朽木さんは同じく無言でそこから携帯電話を取り出し、あたしに渡してくれた。
 
「しつこいとケーサツ呼びます」
 
 視線は男達を睨んだまま。
 キーに指をかけるあたし。
 
「うっ……」
 
 雑魚チンピラ達は怯みながら一歩下がった。
 
 そして。
 
 しばしあたし達とチンピラ達の睨み合いが続き。
 
 やがて何事かと通りを行き交う人達が足を止め、人だかりができ始め。
 
 
「……チッ」
 
 男達は悔しそうに吐き捨てると、体の向きを変えて去って行ったのだった。
 
 
「………………ほーっ……」
 
 安堵と共に、どっと疲労感が押し寄せてきて、あたしは深々とため息をついた。
 
「度胸だけは一人前だな」
 
 くしゃっと頭を撫でられる。
 誰かなんて考えるまでもない。
 
「うん、ハッタリ得意だから」
 
 あたしを見下ろす朽木さんを見上げ、にやっと笑って言い返した。
 
 
    Act.4-4に続く
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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